2019 .12.16

【特報】開催間際の「2019国際ロボット展」(IREX)に出展するPOSITAL社の最新製品を大公開!

軸径22mmに対応!世界最小クラスの中実軸タイプ・バッテリーレスアブソリュート・エンコーダキット

ケーメックステックプラスの読者の皆様、お久しぶりです、村松です。

みなさんこんにちは。

前回のコラムでお知らせしましたが、12月18日(水)から21日(土)の4日間、東京ビッグサイト 青海・西・南ホールで開催される「2019国際ロボット展」(iREX)にてケーメックスはPOSITALの新製品をご紹介します。

POSITALの優れた技術を結集したエンコーダを間近でご覧いただける機会で、世界最小クラスの中実軸タイプ・バッテリーレスアブソリュート・エンコーダキットや、世界初となる中空軸タイプ・バッテリーレスアブソリュート・エンコーダキット、さらに最近人気の高い「IO-Link通信インターフェース」を装備したバッテリーレスアブソリュート・エンコーダなどを展示いたします。

まず中実軸(22/35mm)のバッテリーレスマルチターン・エンコーダキットですが、22mmの小径タイプが新製品となります【★写真1】。製品の小型化が進むなかで、よりニーズのある小型ステッピングモータやサーボモータ、ロボットなど、幅広い用途の組み込みキットとしてご利用いただけるものです。

【★写真1】バッテリーレスマルチターン・エンコーダキット、22mmの小径タイプ。

エンコーダキットは、アブソリュート型では、分解能が17ビット、多回転(マルチターン)で100万回転以上の位置を計測できます。キットは小型の電子基板と、モータ軸の先端に取り付ける永久磁石アセンブリユニットで構成されています。

永久磁石を使うことからわかるように、このエンコーダは磁気式です。磁気式は光学式と比べて、振動や衝撃に対して強く、オイルやほこりによる影響も受けにくいため、過酷な環境での対応が可能です。また電磁ブレーキ付きモータでも使えるように、特殊な磁気シールドが採用されていますので、安心してご利用できます。

もちろんPOSITAL社のエンコーダの大きな特徴である「ウィーガンド・エナジーハーベスティング技術」によって、バッテリーレスを実現しています。外部電源なしで電子回路を動かせますから、従来のように回転数を保持するメモリーバックアップ用バッテリーも不要で、メンテナンスフリーを実現しています。まさにアブソリュートエンコーダとして完成された製品なのです。

世界初! 展示の目玉、革新的な中空軸バッテリーレスアブソリュート・エンコーダキット

展示の目玉は、世界初となる中空軸バッテリーレスアブソリュート・エンコーダキットです【★写真2】。

【★写真2】バッテリーレス中空軸アブソリュート・エンコーダキット。
ステータ部(写真左)とロータディスク部(写真右)。

この製品には、中心口径が30mm(外形80mm)と中心口径が50mm(外形100mm)の2タイプが最初にリリースされます。最大使用回転速度は6000rpm、分解能が最大19ビット、マルチターンの回転計測範囲は16ビット(約66千回転)、精度は±0.02°です。

少しかみ砕いて、この革新的な中空軸バッテリーレスアブソリュート・エンコーダキットによる位置計測の原理をご説明します。本エンコーダは静電容量式で回転角度を計測しています。キットは、モータのハウジング部に固定されるステータと、電子部品、ロータディスク、ウィーガントエネルギー回収部などで構成されています【★写真3】。

【★写真3】バッテリーレス中空軸アブソリュート・エンコーダキットの構造(組立図)。

ステータとロータディスクの上面は、それぞれ静電容量式プレートになっています。【★写真4】のようにステータには内周と外周、その中間に点線状に分割された台形パターンが配置されています(このパターンを仮にA/B/C/Dとして、円周上に繰り返し配置されているものとします)。一方、軸に固定して回転するロータディスクには、正弦波状のパターンが刷られています。

【★写真4】静電容量式での位置計測の原理。
ステータの中間のドットパターンと、ロータディスクの正弦波パターンに注目。

セッティングの際は、ステータとロータディスクを僅かなギャップで密着させます。このときステータのパターンAに着目すると、ロータディスクが回転するごとに、正弦波的に誘導が起こり、容量結合のパターンも変化します。この変化を電気信号としてとらえ、出力波形の位相変化を調べ、特殊なASICプロセッサで、ロータディスクの角度を高精度に決定しているのです。

ちなみにステータの中間にある点線状の分割パターンをA/B/C/Dとしましたが、それぞれをコンデンサのグループとしてまとめることで、安定した測定を実現できます。円周パターンで繰り返されるAの部分、Bの部分というように、それぞれを並列に接続すれば、各グループの総静電容量が増加するので計測しやすくなります。また総静電容量が平均化されるので、たとえばステータ部とロータディスク部との位置合わせで多少の誤差が生じ、局所的な変動が起きても、全体としての影響はありません。

ぜひ、こちらの中空軸タイプのエンコーダキットも弊社の展示ブースで手に取って、じっくりご覧いただければと思います。

IO-Linkインターフェースを備えたシングルターン/バッテリーレスマルチターンエンコーダにも注目!

さて、3つ目の目玉は「IO-Linkインターフェース」を装備したバッテリーレスシングルターン/マルチターン(アブソリュート型)エンコーダです。最近はIO-Linkの人気も高く、各社からIO-Link対応センサーなども登場しています。そこでPOSITALも従来のエンコーダにIO-Linkインターフェースを具備したシリーズを拡充しました【★写真5】。

【★写真5】最近人気が高まっている「IO-Linkインターフェース」を備えた
シングルターン/マルチターンエンコーダ。

分解能は最大14ビットのシングルターン(インクリメンタル型)と、最大16ビット(回転31ビット)のマルチターン(アブソリュート型)の2タイプがあり、いずれも精度は0.0878°です。

IO-Linkでは、配線がシンプルですっきりし、製品コストを低減することができます。またデバイス稼働中に設定パラメータを変更したり、デバイス交換後に自動的にパラメータを設定できたりと、運用もラクになります。各エンコーダを識別できるため、稼働状態をデータとしてPLCなどで受信し、状態監視や故障診断も可能です。

特に状態監視は、予防保全に不可欠な機能であり、工場のスマート化で求められるIndustry4.0の主要な機能の1つになります。何か重篤な故障が起きる前にデバイスを交換することで、ダウンタイムを短縮し、保運用サイクルの最適化を実現します。

傾斜計の出力波形をモニタリングするデモも実施!

またセンサー類では、ウィーガント・エナジーハーベスティング技術を実現するセンサーの展示のほか、POSITALが得意とする傾斜計のデモも行い、センサーの出力波形などをご覧いただけるようにします。
→傾斜計【★写真6】の詳細に関しては、以前のコラムもご覧ください。

【★写真6】POSITALが得意とする傾斜計。「衝撃補償」がついており、ロボットや建機などに取り付けられる。

本製品には「衝撃補償」がついており、ロボットや建機などに取り付けられます。(なお今回のデモでは、ロボットへの取り付けはしておりません)。

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このように、今回の国際ロボット展では、POSITALの画期的な新製品を一挙にご覧いただける内容となっています。ぜひ足をお運びいただき、新製品を確かめてみてください! 社員一同、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

なお、弊社では国際ロボット展にご来場いただけるように招待状もご用意しております。下記からお気軽に申し込みください!
※お申し込みは終了しております※