【連載7】いかにして正しいケーブルを選定するか! 工業用ケーブル選びの勘所

2017/05/31

  • LAPP

【特別篇】FOOMA JAPAN 2017(2017 国際食品工業展)に出展します!

さて今回は趣向を少し変えたコラムをお届けします。実は、6月13日から16日まで、東京ビッグサイトにて開催される「FOOMA JAPAN 2017」(2017国際食品工業展)(http://www.foomajapan.jp/)に、弊社もブース番号3A-17に出展することになりました。そのお知らせを兼ねて、本コラムで出展内容をご紹介したいと思います。


LAPPは、さまざまなケーブルに関わる工業用製品を発売してきました。これまで工業用ケーブル選びの勘所という観点で、多彩な製品をご紹介してきましたが、そのなかの大きなジャンルとして、本展示会でご紹介する食品製造装置向けの製品があります【★写真1】。

 【★写真1】食品業界向けのLAPP製品群も多数ご用意しています。

当然ながら、食品製造装置は取り扱う対象が体に入る食物ですから、何よりも安全性が重要視されます。万が一、衛生管理を怠り、何か異物混入などで致命的な問題を起こすことになれば、製造中止、回収作業、ブランドの失墜につながり、莫大な損失を招くことになりかねません。

 

いまはSNSによって、企業の風評もアッという間に広がってしまう時代です。わずかな油断やミスが、工場の閉鎖につながったり、企業の存続さえも危機にさらすことさえあるのです。したがって食品製造装置などへの衛生管理に対する気配りは、絶対に欠かせない要件となっているわけです。

 

ケーブル部材の選定や、配線方法などについては、これから別途コラムで詳細をご紹介する予定ですが、特に注意したいのが温度変動の激しい環境や結露、食品に触れたり、食品が飛沫する恐れのある環境での製品でしょう。

 

高温・多湿の場所では、ケーブルをチューブに収めると結露が発生するため、衛生上の観点からお勧めできません。そこで耐久性の高いケーブルを使用し、外部に露出させて、残留物が付きにくいケーブルグランドで接続する方法を採用する場合が多いのです。

 

また食品が飛沫する場合にも、頻繁かつ徹底的なクリーニングが求められます。海外では強酸・強アルカリ性の洗浄剤を使用して、製造装置を丸洗いすることも多いのですが、どちらかというと国内では乾拭きや高温蒸気洗浄などの方法を用いることが多いようです。

 

さらに薬品や高温での洗浄では、ケーブル部材が少なからず劣化することがあります。そこでケーブルの外皮には、耐久性に優れた材質の製品を選ぶことがポイントになります。またケーブルやグランドのシールに、どのような材質が使われているのかという点にも、気を配っておく必要があるでしょう。

 

FOOMA JAPAN 2017では食品加工ゾーン別の分かりやすい展示を行います!

今回のFOOMA JAPANにおいて、弊社はLAPP社の優れたケーブル類やアクセサリー類を、平易にご紹介させていただく予定です。たとえば、食品工場で使用する製品を大きく3つのゾーンに分け、具体的な製品を展示します【★写真2】。

 

【★写真2】食品工場を例にしたゾーン別のLAPP製品の適用。「食品が直接触れるゾーン」(ゾーン1)、「食品が飛散するゾーン」(ゾーン2)、「食品の接触や飛散のないゾーン」(ゾーン3)に分けられます。



まずは「食品が直接触れるゾーン」(ゾーン1)が挙げられます。こちらは衛生管理が非常に厳しい場所です。代表的な製品としては、独自の高耐久TPE外皮を使用した耐動植物油・薬品対応の専用ケーブルなどがオススメ製品です。

 

このゾーンでの推奨ケーブルの要件として、低温・高温の温度範囲が広く、蒸気が発生しても耐えられるケーブルをご紹介します。

 

たとえば、固定用途時の温度-50℃~+110℃を保証する動力・制御ケーブル「OLFLEX ROBUST FD/FDC」や、-50℃~+90℃を保証するデータケーブル「UNITRONIC ROBUST S/A FD」、あるいは-50℃~+80℃を保証するイーサネットケーブル「ETHERLINE ROBUST/ROBUST FR」、さらに「シリコンポッディングM12コネクタ」といった製品があります【★写真3】。


【★写真3】「食品が直接触れるゾーン」(ゾーン1)で利用できるLAPPの代表製品。


次に「食品が飛散するゾーン」(ゾーン2)も、衛生管理が非常に厳しい場所です。こちらでは前出のケーブルのほかに、固定用途時の温度が-20℃~+100のステンレス製グランド「SKINTOP HYGENIC/HYGENIC-R」(EHEDG規格取得)や、専用角形コネクタ「EPIC ULTRA H-B/H-A3」といった製品をご紹介する予定です【★写真4】。

 

【★写真4】「食品が飛散するゾーン」(ゾーン2)で利用できるLAPPの代表製品。

 

また「食品の接触や飛散のないゾーン」(ゾーン3)では、汎用性が高くて、コストを抑えた製品を多数ご用意しております。たとえば動力・制御ケーブル「OLFLEX CLASSIC 110」や、スタンダードな「SKINTOPシリーズ」などが適用できるでしょう。これらもご紹介する予定です【★写真5】。

 

【★写真5】「食品の接触や飛散のないゾーン」(ゾーン3)で利用できるLAPPの代表製品。


また海外に向けて、食品関係の製造装置を輸出するメーカーのお客様の場合は、設計ガイドラインや特殊な規格にも注意する必要があります。欧州では、食品の安全性を担保するために、食品製造設備のデザイン指標を定めた「EHEDG」や、海外で広く使用されている洗浄剤メーカーECOLABが推奨する薬品耐性試験があります。

 

もちろんドイツ生まれのLAPP製品は、これらの規格やガイドラインに対応したものですから、ご安心ください。LAPP以外のメーカーの食品製造装置業界向け製品も展示しております。詳細につきましては、会場の係員までお気軽にご相談いただけば幸いです。それではFOOMA JAPAN2017でのご来場を社員一同、心よりお待ちしております。

 

 

 

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