IoTにいち早く対応。貴社の機械を簡単にクラウド接続できるDiGaデバイスとは?

2017/06/30

  • Murrelektronik

砂川 裕樹

Murr社の新製品「CUBE 67 DIGA」(ディーガ)を初お披露目!

今回のコラムは毛色を変えて特別編をお届けしましょう。7月12日(水)~15日(土)まで、東京ビッグサイトにて「MF-Tokyo2017」(http://www.mf-tokyo.jp/j/)が開催されます。この展示会は、プレス・板金・フォーミングに関わるモノづくりを支援する機器を紹介する総合イベントです。ここにケーメックスも出展が決まりましたので、展示の目玉をご説明したいと思います。

 

まずはメイン製品の「CUBE 67 DIGA」(呼称:ディーガ)【★写真1】です。DIGAとは、DIAGNOSTIC GATEWAYの略で、システムの自動診断が行える専用ゲートウェイです。

 

【写真1】今回の出展の目玉となるDIGA。システムに導入することにより、さらにCUBE67の自己診断期機能を進化させます。

 前コラムでは、便利なCUBE67の自己診断機能について触れましたが、さらにDIGAはこの診断期機能を進化させています。工場内の生産ラインでトラブルが発生した際、いち早く原因を「見える化」することで、システムのダウンタイムを最小化します。導入の際では【★写真2】のように、CUBE67のバスノードの間にDIGAを挟み込む形でシステムを構成します。


【写真2】
DIGA導入時のシステム構成図。CUBE67のバスノードの間に挟み込む。図のように、DIAG1台で最大4chぶん(IN/OUTで4ch×2=計8ポート)を接続できる。

 

これにより、どこで、どんなエラーが起きたのか、より簡単にリアルタイムで診断できるようになります。従来のCUBE67の自己診断は非常に便利な機能ですが、上位コントーラ側にビットコードを送って、お客様のほうでエラー表示のためのプログラムを組んで診断するため、ひと手間が必要でした。

 

一方、DIGAは本体にWebサーバが内蔵されており、このサーバにアクセスするだけで、【★写真3】のようなCUBE67のトポロジが表示されます。合計32個のIOモジュールの入出力状態の中から、エラーの部分を赤いマークで表示してくれます。エラーはトポロジのみならず、文章でも説明されるため、そこで実際に何が起きているのか、すぐにわかるのです。


【写真3】ブラウザでDIGAのWebサーバにアクセスしたときのトポロジ図。赤い部分でエラーが起きていることが一目でわかります。また文章でエラー内容も説明できます。


またDIGAはロギング機能も搭載しているため、最大1000個の自己診断情報を記録することも可能です。そのほか、お客様が任意に説明を書き込める機能もあります。たとえば「ch3で短絡によるエラーが起きたとき、センサー短絡発生、16番ケーブルを確認してください!」というような解決策も含めたメッセージを出せます。現場のオペレータは、故障した場所に直行し、その部分を特定して修理できるわけです。

 

MF-Tokyo2017では、このDIGAの機能をご覧いただけるデモを行う予定です。以前のコラムで、JIMTOF2016展示レポートをご紹介しました。こちらではCUBE67とファナックのCNCコントローラを接続しました。さらに今回の展示では、DIGAを接続して“未来のスマートファクトリ”のイメージを提示する予定です。

 

今後の話(2017年末予定)になりますが、大きなトピックとして、DIGAに「OPC-UAサーバ」も実装される予定です。OPC-UAは、産業オートメーション分野などで、安全かつ信頼性のあるデータ交換を目的に相互運用を行うための標準規格です。最近のIoTやインダストリー4.0の盛り上がりのなかで、特に注目されている一押しの規格です。

 

このOPC-UAを通じて、お客様はシームレスに相互通信が可能な製品群を使いながら、システムを構築できるようになります。たとえばCUBE67に流れる信号を上位層に送って、ERPシステム(SAPなど)と連携し、予防検知など多彩な分析が行えるようになります。

 DIGAに「OPC-UAサーバ」が実装される予定です。OPC-UAを通じ、最上位のERPシステムであるSAPにデータを渡して、さまざまな分析を可能にします。

もうひとつの目玉展示は、インテリジェント・サーキット・プロテクター「MICO」【★写真4】です。これは最大4chの電流値をモニタリングできるDC24V用の電子式回路保護ユニットです。必要な数だけ増設し、各chごとに電流遮断値を任意に設定し、過電流や短絡に対して高速トリップが可能です。MICOを使うと【★写真5】のように制御盤内が非常にスッキリし、省配線・省スペース化に貢献できる点が最大の特徴といえるでしょう。


【写真4】電流値をモニタリングできるインテリジェントサーキットプロテクター「MICO」。最大4chのモジュールによって、DC24V用の2次側の回路を保護できます。



【写真5】右側がMICOの使用例。左側の従来システムと比較すると、制御盤内が非常にスッキリし、省配線・省スペース化に貢献することをご理解いただけるでしょう。


このほか、いままでの展示会では紹介していませんでしたが、CUBE67と国内の主要なPLCと連携したデモも実施する予定です。たとえば、オムロンの主力となるPLC「CJシリーズ」を使ったデモや、三菱電機のPLCと連携した省配線ソリューションも考えています。

 

今回の出展では、これまで以上の大きなブースでMURR社の優れた製品をご紹介していきます。社員一同、ブース番号(東5-49)で皆さまをお待ちしておりますので、ぜひケーメックスのブースにお立ち寄りください!

 

お問い合わせ

砂川 裕樹プロダクトマネージャー

Murrelektronikのエキスパートになるべく奮闘しています。
お客様の問題点の解決や要望に応えられるよう日々勉強中です。
学生時代から鹿島アントラーズの熱狂的ファンでチームが勝つべく毎週全力応援。
時には残念な結果に終わることもありますが、敗戦をお客様の機械配線のご相談に引きずらないようオンオフの切り替えをしっかりしております。

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