産業用配線の“困りごと”解決講座(第10回目)

2017/11/08

  • Murrelektronik

砂川 裕樹

【困りごと、その7】面倒な配線作業やネジの締め付け管理! 作業の標準化でコストを大幅に削減

●コスト削減の決め手! 配線作業の標準化をいかに進めるべきか?

引き続き、フレキシブルIP67 I/Oシステム・CUBE67の導入メリットについてご紹介しましょう。以前にCUBE67に搭載されている「Machine Options Management」(MOM)と呼ばれる便利な機能について解説しました。今回は、工数削減の要のひとつになる作業の標準化についてのお話です。

従来の配線作業は経験豊富な熟練電気工に頼る側面が強く、作業員のリソース不足に悩まれているお客様も多いのではないでしょうか?

以前から何度か触れていますが、MurrelektronikのIO製品は、基本的にM12コネクタをベースにしています。IEC規格に基づいておりグローバルで幅広く採用されているM12ネジ式コネクタで、様々なベンダーの製品との互換性があり、作業性にも優れていて欧州で最も普及しているコネクタタイプです。ただし、コネクタが密集するような場所で、手作業によってネジを締め付けるのは大変というお客様の声を聞くのも事実です。

同社のM12コネクタ付きケーブル製品であれば、コネクタ部に六角ナットが付いており、専用トルクレンチを利用することで、誰でも締め付け力(0.6N)を均一化しながら、IP67仕様の防水性を確実に確保できるというメリットがあります。


むやみにネジの締め付け力を強くしすぎるのは良いことではありません。コネクタ内部のシーリングが壊れてしまうことがあるため、ちょうどよい力(M12コネクタの規定トルクは0.6Nm)で締め付ける必要があるからです。この作業を行う際に、標準化作業が効いてくるわけです。







また配線の順番についても自由度が高くなります。以前のようなY端子での接合では、締め付けスペースの関係上、奥から順番にネジを締めなければなりませんでした。一方、MurrelektronikのM12コネクタならば、どこからでも順番を問わずに、真上から締め付けが可能になります。そのため、効率的な組み立てができるわけです。

さらに最初からコネクタとケーブルが一体化しているタイプを納品されるか、あるいはユーザー自身が現場でコネクタとケーブルを結線し、ハーネス簡単に完成するタイプを選ぶことができます。ハーネス業者に依頼することなく、誰でも簡単に一様なものを作れることは大きなメリットになります。

このように従来の熟練電気工に頼っていた配線作業を、メカ工の方でもハーネス&取付けできるM12コネクタに標準化することで、従来まで非常に手間のかかっていたプロセスを省き、工数を削減できるため、最終的な人的コストの削減も同時に実現できるわけです。皆様も、ぜひMurrelektronikのM12コネクタを導入して、標準化作業を実現し、効率的かつTOCの削減を目指しましょう。

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砂川 裕樹プロダクトマネージャー

Murrelektronikのエキスパートになるべく奮闘しています。
お客様の問題点の解決や要望に応えられるよう日々勉強中です。
学生時代から鹿島アントラーズの熱狂的ファンでチームが勝つべく毎週全力応援。
時には残念な結果に終わることもありますが、敗戦をお客様の機械配線のご相談に引きずらないようオンオフの切り替えをしっかりしております。

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