産業用配線の“困りごと”解決講座(第11回目)

2017/12/04

  • Murrelektronik

砂川 裕樹

【困りごと、その8】エッジセンサをシンプルな配線にして、ノイズ耐性を高めたい!

前回まで、省配線化を進めるためにMurr社のフレキシブルIP67 I/Oシステム・CUBE67に関する特徴やメリットについて説明してきました。今回からは、このCUBE67の配下として、エッジ側のセンサ信号を収集したり、各種デバイスなどの入出力を制御するIOモジュールについて紹介していきましょう。

これまでご説明してきたCUBE67と、I/Oモジュールとの関係は【★写真1】のとおりです。つまりCUBE67がバスノード(親機)となり、そこに各種IOモジュール(子機)を接続するという構成になっています。ひとつのCUBE67に対して、最大32個のIOモジュールをつなぐことが可能です。


【★写真1】CUBE67とI/Oモジュールとの関係。CUBE67がバスノード(親機)となり、その配下に各種IOモジュール(子機)を接続。


このI/Oモジュールには「デジタルモジュール」「アナログモジュール」「特別モジュール」の3タイプが用意されており、これらをCUBE67と柔軟に組み合わせてご利用いただける点が大きな特徴です【★写真2】。


【★写真2】8ポート、あるいは4ポート単位で利用できるI/Oモジュールの外観。デジタル/アナログ/特別モジュールの3タイプを用意。

アナログモジュールを例にとって、もう少し詳しく説明しましょう。このモジュールは、アナログ電圧や電流の入出力用です。一般的なフィールドオートメーションで利用される信号であれば、ほとんど何でも対応します。ポート数は4ポート(M12)で、入力として測温抵抗体や熱電対などのセンサも接続できます。

アナログIOモジュールは、エッジ側にある各種センサの信号を取り込み、それをデジタル信号に変換したあとで、専用ローカルバス経由でCUBE67に信号を伝送します。このときの最大ケーブル長は60m(各セグメントあたり30m)まで対応します。

一方、CUBE67とIOモジュールを利用しない従来方式では、エッジ側のセンサ信号を制御盤までシールドケーブルで引き回していました。当然ですが、引き回し作業も大変で、アナログ信号にノイズが乗る恐れもあります。そこで、CUBE67+IOモジュール構成とし、できるだけセンサの近くにIOモジュールを設置することで、センサケーブルを短くします。これならばノイズが乗る心配もありませんし、メンテナンス性も良くなります【★写真3】。


【★写真3】アナログモジュールを活用した場合のメリット。省配線によるコスト削減はもちろんのこと、ノイズ防止やメンテナンス性も優位になる。

次にデジタルモジュールについて説明しましょう。こちらは8ポート(M12, M8)と4ポート(M12, M8)のタイプがあります。それぞれ16チャンネル、8チャンネルタイプとなっており、マルチファンクション機能によって、Webサーバなどから、各ポートの入出力を任意に設定すれば、ポートロスがなくなり、効率的な運用が行えます。また油圧ソレノイドバルブを制御する際に適した、1.6A/2.0Aの高出力タイプも揃えています。

全チャンネルには、短絡保護や過電流保護の機能が付いており、何かトラブルがあってもLEDですぐに視認できて便利です。もちろん以前紹介した『自己診断機能』によってこれらのエラー情報は全てPLC上で確認できます。アナログモジュールでは、入力信号を監視することで断線検出も行えますが、MURR社のデジタルモジュールであれば断線検出が可能です。

センサやアクチュエータのケーブル断線検出が必要となるお客様も近年増えてきております。
断線検出には専用アダプタを使い、1つのチャンネルを「診断入力」に設定することで対応できます。ある機械メーカーでは、機械に振動や衝撃がかかる過酷な環境下でセンサの断線が致命的になるため、この断線検出機能を活用しています。

このほか、特別モジュールとして「マニホールドバルブ」や「セーフティアウトプット対応」「エンコーダー」「カウンター」のモジュールを用意しています【★写真4】。

【★写真4】特別モジュールのマニホールドバルブ用モジュール。D-Subコネクタと合わせて使うことで、省配線化を実現できる。

フィールドバス対応のマニホールドユニットは省配線化として非常に効果的ですがコスト的に高くなるというデメリットがあります。しかし専用のD-subコネクタ付きのデジタルモジュールと接続することで、CUBE67経由での伝送が行えるようになり、省配線化と同時にコストも下げられます。対応できるバルブメーカーは、SMC、NORGREN、Parker、FESTOなど多岐にわたっています。

また、「セーフティアウトプット対応」の特別モジュールはEN ISO13849-1の規格に準拠しており、PL(Performance Level)eに対応しております。安全関連部にもCube67を組み込むことが可能となります。次回は、制御盤内で使えるIOユニット「CUBE20」についてご紹介したいと思います。

 

 

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砂川 裕樹プロダクトマネージャー

Murrelektronikのエキスパートになるべく奮闘しています。
お客様の問題点の解決や要望に応えられるよう日々勉強中です。
学生時代から鹿島アントラーズの熱狂的ファンでチームが勝つべく毎週全力応援。
時には残念な結果に終わることもありますが、敗戦をお客様の機械配線のご相談に引きずらないようオンオフの切り替えをしっかりしております。

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